家庭菜園で人気の夏野菜「なすび」の栽培にチャレンジしたい。
種まきや苗を購入しての植えつけから、みずみずしいナスの収穫までの
一連の栽培の流れの中で、
- 栽培にあたって必要な資材や道具
- ナスを栽培するのに必要な基本情報
- 苗の植えつけ〜収穫までの一連の作業手順
- 事前に押さえておきたい5つの成功ポイント
という初心者の頃によくある質問を
筆者が初心者の頃の失敗した体験をもとに
初めてナスを栽培する人でもカンタンに栽培できる方法を
わかりやすく紹介していきます。
私は貸し農園で野菜栽培を初めて8年になります。
年間で40種類の野菜を栽培しています。
目次
まずは、ナスを育てるのに必要な資材と道具を揃えましょう。
私は、道具や資材はホームセンターや園芸店で購入しています。
【必要な道具】
- 長靴
- 作業用手袋
- 丸型ショベル
- 平鍬(ひらくわ)
- じょうろ
- 丸パイプ
【必要な資材】
苗を3つ植えるのに必要な数になります。
- 支柱(120cm×9本 ※3本立て)・(90cm×3本)
- 麻ひも
- 黒マルチシート
- 穴あけ器
- 育苗ポット(種まきの場合必要)
【必要な肥料】
- 苦土石灰
- 完熟牛糞肥料(ぎゅうふん)
- 完熟鶏糞肥料(けいふん)
- 油かす
- 有機化成肥料
- 液肥
【あれば便利な道具&資材】
- 土壌酸度計(土壌に含まれる酸度を測定するももの)
- トマトトーン(人工授粉促進剤)
- 連作障害防止剤
- 保温キャップ
<土壌酸素計の商品情報はこちらから>
土壌の酸素濃度がカンタンに測定できます
<トマトトーンの商品情報はこちらから>
受粉が促進できます。トマトトーンですがナスにも使用できます
<連作障害防止剤(HB-101)の商品情報はこちらから>
連作障害に伴う生理障害が抑制されます。
<苗保温キャップの商品情報はこちらから>
苗を寒気から守り、成長を促進させます
ナスの栽培に必要な基本情報を紹介します。
項目 | 内容 |
栽培時期&期間 | 5月中旬〜10月(種まき2月下旬) |
育苗方法 | 苗 or 種まき |
発芽地温 | 20℃〜30℃ |
生育適温 | 22℃〜30℃ |
好適土壌酸度 | ph6〜6.5(中性を好む) |
うね幅・高さ | 幅120cm×高さ20cm |
株間 | 50cm〜60cm |
連作障害有無 | あり(3〜4年あける) |
次に、ナスの栽培の流れと手順を見ていきましょう。
育苗ポットに2粒〜3粒まく。
苗購入の場合は5月以降、植えつける直前に購入する
・植えつけ2週間前に土を耕しておく
・土壌酸度計を土に差し込み測定する(ph6〜6.5が最適)
・酸性土壌(6.0以下)の場合苦土石灰をまく
・前作がじゃがいも等のナス科の場合は連作障害予防をおこなう
植えつけ場所を変えるか連作障害防止剤を使用する)
・1週間前に完熟牛糞をうね全体に混ぜこむ
・その後、30cmの深さの溝を掘り堆肥(完熟鶏糞けいふん、油かす)
を溝に入れ溝に土を戻す
・高さ20cm、幅120cmのうねを立てる
・うねを立てた後、丸パイプを使って植えつけ面を平らにする
・泥ハネによる病気予防や土壌の乾燥防止としてうねに黒マルチシートを張る
【うねの植えつけ面を平らにする】
土壌酸度計、連作防止剤、
平鍬(ひらくわ)、丸型ショベル、丸パイプ
苦土石灰、完熟牛糞、完熟鶏糞、油かす
※苗3つ分
苦土石灰・・・150g(3握り分)
完熟牛糞・・・2kg(5リットルバケツ一杯分)
完熟鶏糞・・・150g(3握り分)
油かす・・・50g(1握り分)
・植えつけ箇所に穴あけ器で植え穴をあけて苗を植えつける
・苗の間隔は50〜60cmあけておく
・苗を植えつけた後はしっかりジョウロで水やりをする
・植えつけ時期はGW後、気温が23℃を超える頃が最適
・GW期間中に植えつけする場合は、適温より気温が低い場合が多いので、
保温キャップを被せて防寒対策をしておく
・支柱を立てるまでは、風で苗が折れないように仮支柱を立て誘引する
・初めに咲く1番花にしっかり受粉させるために、
受粉促進剤「トマトトーン」を花に吹き付け確実に受粉できます。
【苗に保温キャップを被せる】
黒マルチシート、穴あけ器、支柱(90cm)、麻ひも、
ジョウロ、トマトトーン、保温キャップ
<トマトトーンの商品情報はこちらから>
雌花にスプレーをシュッと吹き付けることで確実に受粉ができます。
ミツバチや風での受粉の助けがない場合は特に効果的です。
<保温キャップの商品情報はこちらから>
苗にキャップを被せ、風で飛ばないようにピンで固定します。
寒気から苗を守り、成長を促進します。
第一ビニール 苗ドーム 苗カバー 苗キャップ 大 (5個セット)
・苗が50cm程度に成長した時に支柱を立てる
・仕立て方法を選び支柱を立てる(120cm)
3本立ての場合主枝+2本の脇芽を残し、支柱に誘引する
【3本仕立て】
支柱(120cm)9本、麻ひも
・生長に合わせて追肥をおこなう
・はじめは植えつけから3週間後、それ以後は2週間おきに追肥をおこなう
・追肥は黒マルチシートを剥がし、株元でなくうねの端にまく
・夏場の土壌が乾く時期は水やりの頻度あげる。あげすぎくらいがちょうど良い
有機化成肥料・・・50g(1握り程度)
液肥・・・バケツ一杯の水につきキャップ1杯分
・1番初めにつけた実は大きくなる前に取り除く【摘果てきか】
・伸ばしたわき芽に実をつけたらそれより先は切り取る【切り戻し】
【切り戻し(整枝) のやり方】
【あわせて読みたいナスの仕立て方法】
・実が収穫サイズになったタイミングで順次収穫する
・品種により収穫サイズは異なる
・実は株に負担がかかり疲れさせないよう大きく生育させない
中長ナス/15cm程度
長ナス/20〜30cm
丸ナス/15cm程度
・7月終わり頃実が大きくなりにくかったり、花がつきにくくなった際には
剪定(せんてい)をおこなう
・伸びている枝や葉をすべて切り取る
・シートにショベルを差し込み根切りする
・ショベルを差し込んだ隙間に肥料を入れる
・9月頃に株がリフレッシュされ実が収穫できる
【更新剪定のやり方】
ほくほくした美味しいナスが収穫できます。
①苗選び・植えつけ時期に気をつける
【筆者の失敗体験とポイント】
- 値段が安いことを理由に実生苗を選んだ
→多少値段は高いが「接木苗」を選ぶ
接木苗を選ぶことで病気や連作障害の不安なく栽培できる。 - 早く収穫できるよう大きく育った苗を選んだら
植えつけ後の生長が鈍かった。
→大きすぎない苗を購入する
植えつけてから大きく成長する苗を選ぶ。
本葉8〜9枚、1番花がついた苗を購入する。 - 早めに苗を購入して、気温が低い時期に植えつけた。
固くて小さいナスの実がついた。
→植えつけは5月以降気温が適温に達してから植えつける
早めに植えつける際は保温キャップで保温し栽培する。
【あわせて読みたいナスの苗の選び方】
②株を仕立てて長期間収穫を目指す
【筆者の失敗体験とポイント】
- 仕立てをサボり芽を伸ばし放題で育てた。
→ナスの収穫量が少なかった。
長期間で収穫を上げるために3本仕立てで栽培する。 - 生長に合わせた支柱への誘引・整枝をサボる
→実の重みに耐えれず栽培途中で枝が折れた
枝への負担を減らすため、生長に合わせ整枝をおこなう。
【あわせて読みたいナスの仕立て方法】
③乾燥時期の水やり、追肥を頻繁におこなう
【筆者の失敗体験とポイント】
- 夏の時期に暑さで水やりを怠った
→実が小さくナス皮の光沢がなくなった。
土壌が乾燥する時期は水をいつも以上に与える。
暑い時期でも、みずみずしく大きなナスが収穫できる。 - 追肥の頻度が少なかった
→乾燥時期は特に高頻度で肥料を与え、栄養不足を解消する。
大きなナスが数多く収穫できる。
【あわせて読みたいナスの肥料のやり方】
④実や葉っぱの障害や病気からまもる
【筆者の失敗体験とポイント】
- ナスの実が病気になり腐ってしまった。
→泥はねが原因で実を腐らせた。
黒マルチシートを張りって、泥はねがないように予防する。 - 葉っぱの色が黄色くなり、枯らしてしまった
→土づくりの際に苦土石灰を入れていなかったことが原因。
苦土石灰を入れ、カルシウム分の欠乏を防ぐ。
【あわせて読みたいナスの病気対策】
ナスの病気対策とは?生理障害かも?症状の違いと対策を徹底解説!
⑤夏場に株をリフレッシュさせる
【筆者の失敗体験とポイント】
- ナスの株が疲れた状態そのままで栽培した
→収穫期間が短くなった。
夏場の株が疲れた時期に根や枝を切り株をリフレッシュする。
株が若々しくなり美味しい秋茄子が収穫できる
いかがでしょうか?この記事ではナスを育てる際に必要な
資材や農具、栽培の手順やポイントをまとめました。
記事をまとめると、
【必要な道具や資材を揃える】
- 必要な道具や資材を揃えましょう
- ホームセンターや園芸店で揃えることができます
- ネットでまとめて注文するのも便利です
【ナスの栽培に必要な基本情報】
- 基本情報の中で,栽培時期,生育適温,株間・畝幅,連作障害の有無
の情報は特に気をつけて栽培してください.
【栽培の手順】
- 種まきから収穫までの全体の流れを把握する
- 特に注意した方がいい点はイラストでまとめています
必要に応じて見直してみてください
【成功の5つのポイント】
- 大きなナスをいっぱい収穫するための成功ポイントを意識する
①接木苗を選び連作障害や病気の予防をおこなう
植えつけ時期は5月に入って暖かくなってから。
まだ気温が低い場合は保温キャップで苗を寒気にあてない
②3本仕立てをおこない長期間でたくさんの収穫を目指す
3本仕立てと合わせ、整枝をおこなう
③特に乾燥時期は水や肥料をいつも以上に与える
④泥はねによる病気にかからないよう黒マルチシートを敷く
苦土石灰をまき、カルシウム欠乏症を防ぐ
⑤7月頃株をリフレッシュさせるため、更新剪定をおこなう
いかがでしょうか?
はじめは覚えることがいろいろありますが、
慣れればたくさんの量のナスを長期間栽培することができます。
この記事が少しでも役に立てれば嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。