2020年6月「ときめきガレージブログ」開設しました!

ナスの栽培方法|失敗体験から得た5つの成功ポイント

家庭菜園で人気の夏野菜「なすび」の栽培にチャレンジしたい。

種まきや苗を購入しての植えつけから、みずみずしいナスの収穫までの

一連の栽培の流れの中で、

  • 栽培にあたって必要な資材や道具
  • ナスを栽培するのに必要な基本情報
  • 苗の植えつけ〜収穫までの一連の作業手順
  • 事前に押さえておきたい5つの成功ポイント

という初心者の頃によくある質問を

筆者が初心者の頃の失敗した体験をもとに

初めてナスを栽培する人でもカンタンに栽培できる方法を

わかりやすく紹介していきます。

とっきー
とっきー

私は貸し農園で野菜栽培を初めて8年になります。

年間で40種類の野菜を栽培しています。

ナスの栽培方法|必要な用具を揃える

まずは、ナスを育てるのに必要な資材と道具を揃えましょう。

私は、道具や資材はホームセンターや園芸店で購入しています。

【必要な道具】

  • 長靴
  • 作業用手袋
  • 丸型ショベル
  • 平鍬(ひらくわ)
  • じょうろ
  • 丸パイプ

【必要な資材】

苗を3つ植えるのに必要な数になります。

  • 支柱(120cm×9本 ※3本立て)・(90cm×3本)
  • 麻ひも
  • 黒マルチシート
  • 穴あけ器
  • 育苗ポット(種まきの場合必要)

【必要な肥料】

  • 苦土石灰
  • 完熟牛糞肥料(ぎゅうふん)
  • 完熟鶏糞肥料(けいふん)
  • 油かす
  • 有機化成肥料
  • 液肥

【あれば便利な道具&資材】

  • 土壌酸度計(土壌に含まれる酸度を測定するももの)
  • トマトトーン(人工授粉促進剤)
  • 連作障害防止剤
  • 保温キャップ

<土壌酸素計の商品情報はこちらから>

土壌の酸素濃度がカンタンに測定できます

<トマトトーンの商品情報はこちらから>

受粉が促進できます。トマトトーンですがナスにも使用できます

<連作障害防止剤(HB-101)の商品情報はこちらから>

連作障害に伴う生理障害が抑制されます。

<苗保温キャップの商品情報はこちらから>

苗を寒気から守り、成長を促進させます

ナスの栽培方法|栽培の基本情報

ナスの栽培に必要な基本情報を紹介します。

項目内容
栽培時期&期間5月中旬〜10月(種まき2月下旬)
育苗方法苗 or 種まき
発芽地温20℃〜30℃
生育適温22℃〜30℃
好適土壌酸度ph6〜6.5(中性を好む)
うね幅・高さ幅120cm×高さ20cm
株間50cm〜60cm
連作障害有無あり(3〜4年あける)
ナス栽培の基本情報

ナスの栽培方法|栽培の流れと手順

次に、ナスの栽培の流れと手順を見ていきましょう。


STEP.1
種まき&育苗
種まきは2月下旬頃から
育苗ポットに2粒〜3粒まく。
苗購入の場合は5月以降、植えつける直前に購入する

ここはチェック
苗に本葉が8〜9枚、第1花のつぼみがついた頃に植えつける

STEP.2
土づくり

・植えつけ2週間前に土を耕しておく

・土壌酸度計を土に差し込み測定する(ph6〜6.5が最適)

・酸性土壌(6.0以下)の場合苦土石灰をまく

・前作がじゃがいも等のナス科の場合は連作障害予防をおこなう
 植えつけ場所を変えるか連作障害防止剤を使用する)

・1週間前に完熟牛糞をうね全体に混ぜこむ

・その後、30cmの深さの溝を掘り堆肥(完熟鶏糞けいふん、油かす)
 を溝に入れ溝に土を戻す

・高さ20cm、幅120cmのうねを立てる

・うねを立てた後、丸パイプを使って植えつけ面を平らにする

・泥ハネによる病気予防や土壌の乾燥防止としてうねに黒マルチシートを張る

【うねの植えつけ面を平らにする】

ここはチェック
苦土石灰をナスがカルシウム欠乏で生育不良にならないよう土に混ぜ込みます。

土づくりに必要な用具

土壌酸度計、連作防止剤、
平鍬(ひらくわ)、丸型ショベル、丸パイプ
苦土石灰、完熟牛糞、完熟鶏糞、油かす

適切な肥料の量

※苗3つ分
苦土石灰・・・150g(3握り分)
完熟牛糞・・・2kg(5リットルバケツ一杯分)
完熟鶏糞・・・150g(3握り分)
油かす・・・50g(1握り分)

STEP.3
苗の植えつけ

・植えつけ箇所に穴あけ器で植え穴をあけて苗を植えつける

・苗の間隔は50〜60cmあけておく

・苗を植えつけた後はしっかりジョウロで水やりをする

・植えつけ時期はGW後、気温が23℃を超える頃が最適

・GW期間中に植えつけする場合は、適温より気温が低い場合が多いので、
 保温キャップを被せて防寒対策をしておく

・支柱を立てるまでは、風で苗が折れないように仮支柱を立て誘引する

ここはチェック
・ナスは寒さに弱いので枯らさないようしっかり防寒対策をする。
・初めに咲く1番花にしっかり受粉させるために、
 受粉促進剤「トマトトーン」を花に吹き付け確実に受粉できます。

【苗に保温キャップを被せる】

苗の植えつけに必要な用具

黒マルチシート、穴あけ器、支柱(90cm)、麻ひも、
ジョウロ、トマトトーン、保温キャップ

<トマトトーンの商品情報はこちらから>

雌花にスプレーをシュッと吹き付けることで確実に受粉ができます。
ミツバチや風での受粉の助けがない場合は特に効果的です。

肥料 住友化学園芸 日産トマトトーンスプレー 420ml

<保温キャップの商品情報はこちらから>

苗にキャップを被せ、風で飛ばないようにピンで固定します。
寒気から苗を守り、成長を促進します。

第一ビニール 苗ドーム 苗カバー 苗キャップ 大 (5個セット)

STEP.4
支柱立て

・苗が50cm程度に成長した時に支柱を立てる

・仕立て方法を選び支柱を立てる(120cm)

 3本立ての場合主枝+2本の脇芽を残し、支柱に誘引する

【3本仕立て】

ここはチェック
残したわき芽より下の芽はすべて取り除く。

支柱たてに必要な用具

支柱(120cm)9本、麻ひも

STEP.5
追肥&水やり

・生長に合わせて追肥をおこなう

・はじめは植えつけから3週間後、それ以後は2週間おきに追肥をおこなう

・追肥は黒マルチシートを剥がし、株元でなくうねの端にまく

・夏場の土壌が乾く時期は水やりの頻度あげる。あげすぎくらいがちょうど良い

ここはチェック
夏場は暑さで作業負担も大きいので、私は毎週バケツに貯めた水に液肥を入れ、うね間に流し込みます。水やりと追肥が一気にできます。

追肥に必要な用具
有機化成肥料、液肥

追肥に必要な量

有機化成肥料・・・50g(1握り程度)
液肥・・・バケツ一杯の水につきキャップ1杯分

STEP.6
葉や芽のメンテナンス

・1番初めにつけた実は大きくなる前に取り除く【摘果てきか】

・伸ばしたわき芽に実をつけたらそれより先は切り取る【切り戻し】

ここはチェック
摘果、切り戻しは株を疲れさせることなく長期間収穫するために必要な作業です。

【切り戻し(整枝) のやり方】

メンテナンスに必要な用具
ハサミ

【あわせて読みたいナスの仕立て方法】

ナスの仕立て方|収穫量に差が出る3本仕立ての方法

STEP.7
収穫

・実が収穫サイズになったタイミングで順次収穫する

・品種により収穫サイズは異なる

・実は株に負担がかかり疲れさせないよう大きく生育させない

ここはチェック
◉品種による収穫サイズの目安
中長ナス/15cm程度
長ナス/20〜30cm
丸ナス/15cm程度

収穫に必要な用具
ハサミ

STEP.8
更新剪定

・7月終わり頃実が大きくなりにくかったり、花がつきにくくなった際には
 剪定(せんてい)をおこなう

・伸びている枝や葉をすべて切り取る

・シートにショベルを差し込み根切りする

・ショベルを差し込んだ隙間に肥料を入れる

・9月頃に株がリフレッシュされ実が収穫できる

【更新剪定のやり方】

ここはチェック
剪定(せんてい)後についたナスを秋ナスと言います。
ほくほくした美味しいナスが収穫できます。

収穫に必要な用具
ショベル、ハサミ、完熟鶏糞(けいふん)

ナスの栽培方法|体験をもとにした失敗例と成功ポイント

①苗選び・植えつけ時期に気をつける

【筆者の失敗体験とポイント】

  1. 値段が安いことを理由に実生苗を選んだ

    多少値段は高いが「接木苗」を選ぶ
     接木苗を選ぶことで病気や連作障害の不安なく栽培できる。
  2. 早く収穫できるよう大きく育った苗を選んだら
    植えつけ後の生長が鈍かった。

    大きすぎない苗を購入する
     植えつけてから大きく成長する苗を選ぶ。
     本葉8〜9枚、1番花がついた苗を購入する。
  3. 早めに苗を購入して、気温が低い時期に植えつけた。
    固くて小さいナスの実がついた。

    →植えつけは5月以降気温が適温に達してから植えつける
     早めに植えつける際は保温キャップで保温し栽培する。

【あわせて読みたいナスの苗の選び方】

ナス苗の賢い選び方|初心者は注意したい3つのポイント

②株を仕立てて長期間収穫を目指す

【筆者の失敗体験とポイント】

  1. 仕立てをサボり芽を伸ばし放題で育てた。

    →ナスの収穫量が少なかった。
     長期間で収穫を上げるために3本仕立てで栽培する
  2. 生長に合わせた支柱への誘引・整枝をサボる

    →実の重みに耐えれず栽培途中で枝が折れた
    枝への負担を減らすため、生長に合わせ整枝をおこなう。

【あわせて読みたいナスの仕立て方法】

ナスの仕立て方|収穫量に差が出る3本仕立ての方法

③乾燥時期の水やり、追肥を頻繁におこなう

【筆者の失敗体験とポイント】

  1. 夏の時期に暑さで水やりを怠った

    →実が小さくナス皮の光沢がなくなった。
     土壌が乾燥する時期は水をいつも以上に与える。
     暑い時期でも、みずみずしく大きなナスが収穫できる。
  2. 追肥の頻度が少なかった

    乾燥時期は特に高頻度で肥料を与え、栄養不足を解消する。
     大きなナスが数多く収穫できる。

【あわせて読みたいナスの肥料のやり方】

ナス肥料の与え方|失敗しない元肥・追肥のタイミイングと手順

④実や葉っぱの障害や病気からまもる

【筆者の失敗体験とポイント】

  1. ナスの実が病気になり腐ってしまった。

    →泥はねが原因で実を腐らせた。
     黒マルチシートを張りって、泥はねがないように予防する。
  2. 葉っぱの色が黄色くなり、枯らしてしまった

    →土づくりの際に苦土石灰を入れていなかったことが原因。
     苦土石灰を入れ、カルシウム分の欠乏を防ぐ。

【あわせて読みたいナスの病気対策】

ナスの病気対策とは?生理障害かも?症状の違いと対策を徹底解説!

⑤夏場に株をリフレッシュさせる

疲れた株は枝と根を切り落としリフレッシュする

【筆者の失敗体験とポイント】

  1. ナスの株が疲れた状態そのままで栽培した

    →収穫期間が短くなった。
     夏場の株が疲れた時期に根や枝を切り株をリフレッシュする。
     株が若々しくなり美味しい秋茄子が収穫できる

ナスの栽培方法|まとめ

いかがでしょうか?この記事ではナスを育てる際に必要な

資材や農具、栽培の手順やポイントをまとめました。

記事をまとめると、

【必要な道具や資材を揃える】

  • 必要な道具や資材を揃えましょう
  • ホームセンターや園芸店で揃えることができます
  • ネットでまとめて注文するのも便利です

【ナスの栽培に必要な基本情報】

  • 基本情報の中で,栽培時期,生育適温,株間・畝幅,連作障害の有無

    の情報は特に気をつけて栽培してください.

【栽培の手順】

  • 種まきから収穫までの全体の流れを把握する
  • 特に注意した方がいい点はイラストでまとめています
    必要に応じて見直してみてください

【成功の5つのポイント】

  • 大きなナスをいっぱい収穫するための成功ポイントを意識する

    ①接木苗を選び連作障害や病気の予防をおこなう

     植えつけ時期は5月に入って暖かくなってから。
     
     まだ気温が低い場合は保温キャップで苗を寒気にあてない

    ②3本仕立てをおこない長期間でたくさんの収穫を目指す

     3本仕立てと合わせ、整枝をおこなう

    ③特に乾燥時期は水や肥料をいつも以上に与える

    ④泥はねによる病気にかからないよう黒マルチシートを敷く

     苦土石灰をまき、カルシウム欠乏症を防ぐ

    ⑤7月頃株をリフレッシュさせるため、更新剪定をおこなう

いかがでしょうか?

はじめは覚えることがいろいろありますが、

慣れればたくさんの量のナスを長期間栽培することができます。

この記事が少しでも役に立てれば嬉しいです。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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